鬼憑き
一章
「秀樹、そっちは?」
「駄目だ。・・・・見失ったか」
「マジ?!あ〜・・せっかく走ったのに・・」
袋小路の奥を睨みながら武人が悪態をつく。二人の額にはうっすらと汗が浮かんでいた
「とりあえず戻るぞ。ここにいても仕方がない」
「わかったよ。あ〜あ・・・」
傾きかけている日をぼんやりと見ながら武人が歩き出す。秀樹も、何も言わずにそれに従った
「たっだいま〜!!」
「仕事帰りくらい静かにできないのかお前は・・・・」
「秀樹こそ、ただいまくらい言えって」
「俺の家じゃない」
「またそういうことを〜」
「お二人とも、そのくらいにしてくださいね?」
入り口で低レベルな争いを始めた二人を、少し幼さの残る声が諌める
「あっれ、シンファじゃん。いつ戻ったんだよ?」
「お二人と入れ違いです」
シンファと呼ばれた女性は笑みを浮かべて、そのまま手に持っていたファイルを差し出した。反射的にファイルを掴んだ武人が顔をしかめる
「これって・・・・・」
「安心してください。休み明けの分です」
「あ、さいですか・・」
なんとも言えない表情の武人にシンファは笑顔のまま続ける
「お休み前にちゃんと報告なさってくださいね。それと、秀樹さん」
「なんだ」
「レティ司令官がお呼びでしたよ」
「・・わかった、すぐ行こう」
歩き出そうとした秀樹を武人が慌てた様子で止めた
「おい秀樹!お前報告は!?」
「任せた」
それだけ言って秀樹はまた歩き出した
「はぁ?!!ちょっ、失敗報告俺だけにしろってか!!まちやがれこら!!!」
武人の叫びなど聞こえないかのように、施設の奥へと向かって
「駄目だ。・・・・見失ったか」
「マジ?!あ〜・・せっかく走ったのに・・」
袋小路の奥を睨みながら武人が悪態をつく。二人の額にはうっすらと汗が浮かんでいた
「とりあえず戻るぞ。ここにいても仕方がない」
「わかったよ。あ〜あ・・・」
傾きかけている日をぼんやりと見ながら武人が歩き出す。秀樹も、何も言わずにそれに従った
「たっだいま〜!!」
「仕事帰りくらい静かにできないのかお前は・・・・」
「秀樹こそ、ただいまくらい言えって」
「俺の家じゃない」
「またそういうことを〜」
「お二人とも、そのくらいにしてくださいね?」
入り口で低レベルな争いを始めた二人を、少し幼さの残る声が諌める
「あっれ、シンファじゃん。いつ戻ったんだよ?」
「お二人と入れ違いです」
シンファと呼ばれた女性は笑みを浮かべて、そのまま手に持っていたファイルを差し出した。反射的にファイルを掴んだ武人が顔をしかめる
「これって・・・・・」
「安心してください。休み明けの分です」
「あ、さいですか・・」
なんとも言えない表情の武人にシンファは笑顔のまま続ける
「お休み前にちゃんと報告なさってくださいね。それと、秀樹さん」
「なんだ」
「レティ司令官がお呼びでしたよ」
「・・わかった、すぐ行こう」
歩き出そうとした秀樹を武人が慌てた様子で止めた
「おい秀樹!お前報告は!?」
「任せた」
それだけ言って秀樹はまた歩き出した
「はぁ?!!ちょっ、失敗報告俺だけにしろってか!!まちやがれこら!!!」
武人の叫びなど聞こえないかのように、施設の奥へと向かって