Doll†Boy
「なぁ!親友になった証として何か食いに行こうぜ!」

おーい!何でいきなり親友になるんだよ!

私は壬沙の脳天気ぶりには呆れてしまった。

ん?


でも…ここで何か食べに行けばデートだ!←壬沙いるから!


「そっ!そうだよ!何か食べに行こう!」

私は勢いよく立ち上がった。


「おっ!ノリがいいな!めずらしー」

っ!

余計な事を!

壬沙の足を思いっきり蹴った。

「無理。俺、お腹空いてないから。2人で行けば。」

輝君が素っ気ない顔で言った。

機嫌…悪いのかな?


でも!ここで諦めたら私らしくないよね!


「私!美味しいタルトタタンがあるお店知ってるんだけど!行かない!?」
賭けだった。

美味しいケーキがあるお店やお洒落なお店は数えられないほど知っている。

だが私はまだ輝君の事を何一つ知らない。

だから何が好きか嫌いかも知らない。


でも…もし…フランス帰国子女の輝君がフランスのお菓子、タルトタタンが好きだったら反応するはず…

そう考えた。

だからあえてそう言った。

輝君がタルトタタンを嫌いだったら私の負け。

こんな機会もう二度とないはずだ。



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