Doll†Boy
輝君の動きが一瞬ピタッと止まった。


ビンゴ!


「タルトタタン?」

輝君がポツリと言った。
「うん!凄く美味しいんだよ!青森県産の林檎がたっぷり!」

よかった…やっぱりタルトタタンは好きなんだ。

タルトタタンはフランスの家庭料理、だからフランス人は絶対食べたことがある…はず!


「食べたらすぐ帰るから…」

輝君が少し顔を赤くして俯いて呟いた。


可愛い…

ルックスとかじゃなくて純粋にそう思ってしまった。


男の子に可愛いなんておかしいかな?


「じゃあ決まりな!てかたるとたたんって何だ?」

今更!

「壬沙!今まで何聞いてたの?」


「たるとたたん!」

「もういい!」


その時、輝君が微かに微笑んだのは誰も知らなかった。


< 37 / 47 >

この作品をシェア

pagetop