DEAD GAME
「一華、お前は座ってろ」
「…ありがとう、翼」
一華は不安気な表情ながらも、しっかりと俺を見て微笑んだ。
それを俺も笑顔で返すと、琉聖が居る理科実験室と繋がる準備室へと向かった。
「琉聖?」
「翼、見て」
琉聖が手招きするほうへと進むと、其処には冷蔵庫があり、中には沢山の食料が入っていた。
「ココにも、食料が入れてあったのか…」
「どうする?持って行く?」
「そうだな、念の為に半分だけ残して持っていこう」
琉聖は頷き、実験室にあったリュックに食料を入れていく。
水分も、持って行くには重いけど、必ず必要になるものだ…。
ペットボトルも、リュックに詰めた。
「それから、これ」
「…これって、ナイフじゃねーか…」
琉聖がもう一つ見つけたのは、実験室に置いてあるサバイバルナイフ。
3つあったうち、2つを俺に差し出した。
「ナイフ、あったら便利だし。
…もし、もし何かあったときはこれで一華ちゃんを守ってあげないと」
「……そう、だな」
…もし、何て縁起でもないけど。
さっきの岩谷を見てしまった以上、そのもしが起きる可能性もあるんだ…。
俺はサバイバルナイフを握り締め、誓った。
「…絶対、一華だけは守ってみせる」