DEAD GAME
「…そうだな、じゃあ立花と駿を探しに行こう」
「うん。」
「ちょっと待って、一華ちゃん」
立ち上がった一華と俺を見た琉聖は、真剣な音色で一華を呼び止めた。
振り返った一華に、諭すように話す琉聖。
「もし、伊達虎太郎と会ってしまったときは、迷わず逃げるんだ」
「…伊達、くん?」
「そう、アイツは危険だから」
…琉聖、伊達が廊下で騒いでたのを聞いてたのか。
勘が良いアイツは、岩谷を殺したのが誰なのかなんてわかってたんだろう。
そんな琉聖の言葉に戸惑っていた一華だったけど、やがてコクリと頷いた。
「分かった」
「よし、じゃあ行こうか」
ようやく笑顔を見せた琉聖に俺も頷き、辺りを見渡し誰も居ない事を確認してから理科実験室を出た。
ポケットに入れたサバイバルナイフが、やけに重く感じた。