DEAD GAME
破壊願望
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『今度のスポーツ大会、誰を応援するー?』
『もちろん、入江君に決まってるじゃない!』
『え!?アンタ五十嵐君狙いじゃなかった!?』
『あんなの、入江君に比べたら全然だしっ!!』
…入江入江入江入江。
入江って、言うんじゃねーよ。
『健人も運動神経良いんだけどな』
『まぁ、アイツは翼が居る限り一番にはなれねぇだろ』
うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!
いつもいつも入江入江って、俺はアイツの影に隠れるだけ。
『ッ……』
『大丈夫!?翼君!!』
『おい、どんすんだよ…。翼の代わりなんてそう居ねぇぞ!?』
…そう、アレは高2のスポーツ大会の日。
怪我してダウンした翼を見る皆の瞳は、心底心配気で。
でも、次の瞬間俺を見たその瞳は。
『仕方ない…。健人でいいか』
酷く、冷め切っていたのを思い出す。