DEAD GAME
「ぶっ殺してやる…、入江!!」
「おい、健人…!」
「なんだよ、薫」
そんな俺に舞い込んだ、この意味も分からねぇクソゲーム。
本当にくだらないゲームだとは思ったが、これは神様が俺にくれたチャンスだ。
…アイツを、殺しても良いと。
その為に、このゲームを俺に授けてくれたんだ!
そう意気込む俺に、横から口を挟んできたのは長谷川薫。
いつも俺とツルんでる奴。
コイツも、同じテニス部である沖琉聖に憎悪を燃やしている。
理由は聞いたことねーけど、いつも殺気を込めて沖を睨みつけてやがるから、すぐ分かる。
俺は若干怯えた様子の薫の肩に腕を回し、グイッと引き寄せた。
「お前だって憎いんだろ、沖がよぉ?」
「…確かに、憎いけど」
「ならお前も協力しろや」
「…協力?」
薫の言葉に、俺は自分でも驚くような笑いを零した。
…そう、入江には掛け替えのない大切な【存在】がいる。
「…三木を、攫うんだよ」
「三木を?」
「おう、三木さえ奪えればこっちのもんだ。アイツ等は俺等に指一本触れる事はできねぇ」
とにかく、アイツから三木を連れ去りたい。
それが、俺の企みだ。