DEAD GAME
「っ、こっちに来るなぁぁぁああ!」
「嫌だよ、だってそっちに行かないと朱音ちゃん助けられないでしょ」
琉聖は学年で1番速いと言われるその脚力で、あっという間に加藤との間を詰めた。
そんな琉聖を見て加藤は混乱し、咄嗟に立花に手を上げようとした。
その隙を見逃さず、琉聖は振り上げられた腕を掴み、加藤と揉み合いになった。
「クソッ!」
「翼!今のうちの朱音ちゃんを…!」
「、ああ!!」
俺も慌てて揉み合いになってしまっている加藤と琉聖の近くに居た立花の元へと駆け寄る。
「立花!」
「い、入江…」
「大丈夫か!?」
もう大丈夫だ、そう言おうとした瞬間…。
「っ、キャ…!」
…一華の、小さな悲鳴が背後から聞こえた。