DEAD GAME
「一華っ!?」
慌てて背後を振り返ると、其処に居たのはカッターナイフを首に宛がわれている一華と俺を見てニヤニヤと笑っている五十嵐の姿だった。
「…五十嵐……!」
「ハーッハッハッハ!!!
いいザマだな、入江!!」
…五十嵐が、俺の事を良く思ってないことはずっと前から知っていた。
だけど、一華を狙うとは…!
「…一華を離せ」
「誰がテメェの言うことなんか聞くかよ!
加藤が三木を連れ去るのに失敗しやがったが、まぁ結果オーライだ」
五十嵐の下で少し苦しそうにしている一華に、自然と心が焦る。
…早く、一華を助けねぇと…。
「三木は預からせてもらうぜ」
「…一華を連れてって、何をする気だ」
「お前にとって、三木は何よりも大事な存在なんだろ?
…俺は、お前の幸せ全てを怖いたい。
…だから、お前から三木を奪ってやる」
五十嵐はそう言い放つと、琉聖と膠着状態だった加藤に視線を向けた。
「加藤、テメェはもう用ナシだ」
「っ、イヤだ!俺を殺すつもりなんだろ!?」
その言葉に、加藤は青ざめて暴れだした。
あまりの暴れっぷりに、思わず俺達全員の視線が加藤に向いた。
…そんな隙を見逃さず、五十嵐は一華を連れてこの場から逃げ出す。
慌てて追いかけようとしたものの、次の瞬間それは適わなくなった。