僕と彼女。~カノジョノウソ~
全員に聞いたら、1日が終わっていた
夜8時
時計は休むことなく時を刻み続けている。

「・・・そう。だめだったんだ」
『すいません、力になれなくて』
「いいのよ、明日からまた探すから」

夏子の姉の声は、よく聞くと夏子に似ていた

そういえば僕は
夏子から「好き」と言われたことがない

なんだ。

僕たちは付き合っていた

けど、結局片想いのままだったのか。
夏子のそばにいられるなら、それでいいなんて思っていた。
人間はなんてないものねだりなんだろう

愛されたいと、僕は願ってしまった

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