未定
運命の日
それは、私が中学2年の冬のある放課後だった。
私は焦っていた。
階段を飛び降りながら、マフラーを巻き、手袋をした。
「塾に遅れちゃうよぉぉ」 私の家は、父も母も大学で先生をしている。そんな家庭の一人娘である私は、小さい頃から勉強一筋だった。
そんな私は、もちろん恋愛など、経験したことがなかった。
でも、この日のあの瞬間から、私の恋愛という時間が動き始めた‥‥。
職員室の前で、私は立ち止まった。
見たことのない制服を着た男子が、職員室から出てきた。親も一緒だった。
転校生かなぁ?
その場の状況的に思った。