本物×偽物どっちを選ぶ?
『雛乃ちゃん何作ってんの?』
『ん?オムライスだよ!律くんも食べる?』
『お!いいの?ラッキー!!じゃあ俺も手伝うよ!』
そう言って、律くんは私の持ってる包丁をそっと取った
トントントン・・・・・・
慣れた手つきで玉ねぎのみじん切りをする律くん・・・
わ・・・私より上手いかも・・・
私は律くんの手を見たまま、完全に動きが止まってしまった
『雛乃ちゃん?』
“オーイ”と律くんが私の目の前で手を振るが呆気に取られた私に律くんの行動は見えていない・・・
男の子がこんなのにも料理が上手いと・・・やっぱり不思議な感じ・・・
『雛乃ちゃん・・・思考停止しちゃったんかいな??』
『え!?あ・・・ごめん!・・・料理・・・上手いなって思って・・・』
私はキレイにみじん切りされた玉ねぎを見つめる・・・
『あぁ・・・俺ん家ね、小さい頃に母親が家を出て行っちゃって・・・父親も仕事で家に帰るのは夜中で、代わりに俺が料理作ってたから・・・嫌でも料理出来るようになっちゃって・・・』
家を・・・出て行った・・・?
な・・・何で・・・?