本物×偽物どっちを選ぶ?


涼くんの登場に首を傾げた類だったが、すぐに何故、涼くんが居るのか理解したみたいだ


・・・って!冷静に判断してる場合じゃない!!


『離ーしーてー!』


私はまるで駄々をこねた子供の様に暴れる


その様子を見て、類が深いため息をついた


『雛乃・・・帰れ』


『・・・でも!!』


『帰れよ!迷惑なんだよ!!!』


・・・・・・!!


迷惑・・・・・・・・・


その言葉が私の心に重くのしかかった


『お前ら・・・全員、帰れ』

・・・ひどいよ・・・・・・


律くんも・・・涼くんも・・・類の事心配してるのに・・・


・・・私だって・・・・・・・・・




『もういい!!帰る!』


『雛乃ちゃん!!』




私は類の部屋を勢いよく飛び出した


走って・・・走って・・・走った


頬を流れる涙を走ることによって消そうとした・・・


・・・消せる訳無いのに・・・


そして・・・気付いた時には・・・・・・





私は見知らぬ所で迷子になっていた



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