背中合わせの恋


きっとこの高校でも優ちゃんは人気になる。

それが痛いくらいに分かる空気が
この体育館の中に溢れている。


小さく聞こえる

「あの先生かっこいい」

その声に耳を塞ぎたくなった。


すごく小さな声なのに
あたしには何故か異常に大きく聞こえる。


優ちゃん

何で戻ってきちゃったの?


優ちゃんにはすごく会いたかった。
でもね、こんな形は望んでなかったよ。

あたしが子供のころから
優ちゃんをどう思ってたかなんて
多分1mmも知らないんだね。


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