背中合わせの恋
第二章
みんなの優ちゃん
「へぇー、藤沢先生があの優ちゃんだったんだ」
夏妃に嘘は付けず、本当のことを話した。
「でも、教師になったとはいえ、まさかこの学校に来るなんてね」
「本当にそうだよ」
「運命…だね」
「冗談じゃないよ~」
机にうな垂れるあたしに
夏妃は笑って肩をたたいた。
「正直、あのルックスだと人気、出ちゃうよ?」
「分かってる…」
「あと忘れちゃいけないのは、茜は陸くんとも幼なじみなんだから、藤沢先生も知り合いなんてバレたら絶対僻まれるよ」
「だよね」
陸も学校の中じゃかなりの人気がある。