背中合わせの恋
今までも陸はあたしがドジすると
必ず助けてくれていて
その度に陸のファンから
嫌がらせを受けたりしていた。
少女漫画みたいなことを
現実世界でやってしまうのが
うちの高校の女子たちなんだ。
「これ以上は勘弁してほしいな」
「あはは!強烈な子多いもんね。陸くんも変なファンばっかいるからさ」
「きっと優ちゃんにも変なファンがつくよ」
「あれはギャル系も清楚系も真面目な学級委員系も、みんなハマるね!うちらより大人だし、そのうえイケメンだもん」
「もう言わないで~」
「言うよ!」
夏妃の声が急に本気になった。
「茜がどんな人と付き合ってもダメだった原因の”優ちゃん”が帰ってきたんだよ。諦めるにしても、好きでいるにしても、向き合わないと。現実と、ね?」
「…うん」