背中合わせの恋
「そうだよ」
「じゃあ、また三人一緒だな」
《三人一緒》だなんて
そんなことを喜べるほど
もう子供じゃない。
優ちゃんの中でのあたしは
ずっと変わらない小さい頃の
泣き虫で弱い茜なんだ。
「もうすぐ始業式だろ?ほら、体育館行け」
「…ん」
近所のお兄ちゃんは
いつしか大人の先生になって
あたしの元に戻ってきた。
ずっとずっと胸に秘めてきた
この気持ちが溢れ出しそうだった。
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