最大公約数
「じゃあcosの方はどう?」
「cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβですか?」
つっかえながらもそう言うと、松田先生は嬉しそうに正解、と言った。
なんだろう、この先生はどうしてこんなにきらきらと輝いているんだろう。
たかが数学をやっているだけなのに、どうしてこんなに楽しそうなんだろう。
「コスモスコスモス咲いた咲いただねー、ここ、マイナスなのがポイントだよ」
赤いペンでぐるぐるとマイナスのところを囲む。
横顔が、小さい子みたいで可愛い。
「じゃあ、これを使って倍角の公式を解いてみようか」
「はい」
先生はホワイトボードに、丸い字でsin2α=と書いて、やってみよう、と笑った。
今までの先生と違うのは、ずっとニコニコしているということ。
今までの先生は、どうしてこんな簡単なものも分からないんだろう、といった様子で授業を進めていったせいで、全く身についている感じがしなかったのだ。
それに言ってる内容も分かりにくいし、だからあたしはいつも先生をチェンジせざるを得なかったのだ。
まあ、あたしが先生キラーの超自己中生徒だというのも原因の一つだけど。
「sinαcosα+cosαsinαだから、2sinαcosα!」
「よくできました。そうだね、これは覚えなくても、加法定理さえ覚えておけば、その場で計算できるね。でも、覚えたほうが入試では有利だから、覚えよう」
そう言って倍角の公式をホワイトボードに書き出した。
先生は本当にかわいい。
小さい子扱いされているみたいだけど、距離感もちょうどいい。
あたしが考えている間はとなりでちょこんとしゃがんで、他の問題を見ているところも可愛い。
教え方も丁寧だし、この先生は今までの先生とは全然違うと思った。
チェンジしようとは、思わなかった。
「cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβですか?」
つっかえながらもそう言うと、松田先生は嬉しそうに正解、と言った。
なんだろう、この先生はどうしてこんなにきらきらと輝いているんだろう。
たかが数学をやっているだけなのに、どうしてこんなに楽しそうなんだろう。
「コスモスコスモス咲いた咲いただねー、ここ、マイナスなのがポイントだよ」
赤いペンでぐるぐるとマイナスのところを囲む。
横顔が、小さい子みたいで可愛い。
「じゃあ、これを使って倍角の公式を解いてみようか」
「はい」
先生はホワイトボードに、丸い字でsin2α=と書いて、やってみよう、と笑った。
今までの先生と違うのは、ずっとニコニコしているということ。
今までの先生は、どうしてこんな簡単なものも分からないんだろう、といった様子で授業を進めていったせいで、全く身についている感じがしなかったのだ。
それに言ってる内容も分かりにくいし、だからあたしはいつも先生をチェンジせざるを得なかったのだ。
まあ、あたしが先生キラーの超自己中生徒だというのも原因の一つだけど。
「sinαcosα+cosαsinαだから、2sinαcosα!」
「よくできました。そうだね、これは覚えなくても、加法定理さえ覚えておけば、その場で計算できるね。でも、覚えたほうが入試では有利だから、覚えよう」
そう言って倍角の公式をホワイトボードに書き出した。
先生は本当にかわいい。
小さい子扱いされているみたいだけど、距離感もちょうどいい。
あたしが考えている間はとなりでちょこんとしゃがんで、他の問題を見ているところも可愛い。
教え方も丁寧だし、この先生は今までの先生とは全然違うと思った。
チェンジしようとは、思わなかった。