不良な俺様
「ふっふふ~ん…」
お気に入りの曲を鼻歌でうたいながら、高校を目指す。
地元っていっても結構遠かったりするんだけどね。
家を出発して、高校に向かうこと10分頃…
「はぁっ…」
長い上り坂を上りきった所にある校舎が目に入った。
出来てから何十年の建築物。
でも、眩しい太陽のせいか、あたしには眩しく見えた。
…そんな純粋な気持ちをぶち壊す一言が、真後ろから聞こえてきた。
「きったねーガッコ。まじ俺馬鹿だからこんな高校しか入れねーの!!」
「ギャハハハ!てめーは正真正銘のバカだ、バカ!」
「うっせーな!!」
ギャアギャアと騒ぎながら入って来た人達を見てぎょっとした。
浜中卓(ハマナカ スグル)、遠大春(エンダイ ハル)、そして県内でも不良で有名な笹川結斗(ササカワ ユイト)と、5人くらいの不良が校内に入って来た。
歳はあたしとタメ。
「ここにいるってことは…まさか……!」
ダッシュでクラスの割り当てを探した。
あんな人達と同じクラスなんて絶対嫌だよっ!
お願いだから別のクラスになっててっ
掲示板を見つけ、まず自分の名前を探した。
紹介遅れましたが、あたしのフルネームは池田悠姫(イケダ ユウキ)。
ごく一般的な名前です。