白いユキ
あの日、マスターの店に来た母さん。
あたしは、目を見てすぐわかったよ。
あたしを見ていないって…
愛しそうに見つめる目だったけど…
あれは…兄さんを見てる。
兄さんを探す目だった。
結局、母さんは最後まであたしを見てはくれなかったんだ…
それなのに…なんでなんだろ…涙が止まらない。
堪えようと、がんばっても、がんばっても、
どんどん溢れてきて
止まらないんだ………
母さんを憎いって、思ってる自分がいるはずなのに…
あたしは、何に泣いているんだろう。
*