白いユキ



あの日、マスターの店に来た母さん。



あたしは、目を見てすぐわかったよ。



あたしを見ていないって…



愛しそうに見つめる目だったけど…



あれは…兄さんを見てる。



兄さんを探す目だった。





結局、母さんは最後まであたしを見てはくれなかったんだ…



それなのに…なんでなんだろ…涙が止まらない。


堪えようと、がんばっても、がんばっても、

どんどん溢れてきて



止まらないんだ………




母さんを憎いって、思ってる自分がいるはずなのに…



あたしは、何に泣いているんだろう。







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