白いユキ



願いは、叶わなかった。


でも、愛されていないわけじゃない。



あたしのことを思ってくれる人はいた。



あたしをあたしとしてみてくれる人がいる。



それでいいよ。



もうそれで十分だよ…ね。






俯いたら、手首の傷が見えてあたしは、笑っていた。



ホントばかだねあたし。


偽物?汚れてる?

そんなの関係ないよ。



あたしは誰のものでもないし、あたしは誰でもない。



だってあたしは、あたしなんだから。







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