白いユキ



「久しぶり。」



約束通りのぶは来てくれた。



「うん。来てくれてありがとう。」



「元気そうだね?……安心した。」



のぶは微笑んで言った。




仏壇の前で手をあわせてくれたのぶ。



「お兄さん、カズキさん?だっけ…」



─?

あたしは、のぶの口から兄さんの名前が出たことに驚いた。


─あたし、のぶに兄さんの事言ったかなあ?



不思議に思ったけど、あたしが覚えていないだけで…たぶん言ってたんだろう。



「優しそうなお兄さんだね。」

のぶは兄さんの写真を見て優しく笑った。







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