白いユキ
それから、少し話をして夕飯を一緒に食べた。
「なんだか、一緒に暮らしてた頃みたいだね。」
ほんの少し前の事なのにのぶの部屋で暮らしていた事が、ずいぶん前みたいに感じた。
「そうだね。」
のぶは微笑んで応えてくれた。
以前と変わらない優しい笑顔。
あたしは、ほっとする。
時計を見上げると20時を回っていた。
「そろそろ、帰るよ。」
「うん…」
帰ると言ったのぶと玄関へと歩く。
「ユキ、そんな顔しないで。」
あたしを見てのぶが呟いた。
あたしの頬へ手をのばす。
「また、会いに来るから……そんな顔されたら、帰れないよ?」
のぶの言葉にはっとした。
あたし、…のぶが帰っちゃうのが、凄くさみしい。
のぶがあたしの頭を手で、ポンポンと軽く叩いた。
「また、会えるから。」
「うん。」
*