白いユキ



「じゃあ、お茶入れるわね。」



「僕がしますよ?園長先生は座っていて下さい。」



のぶはそう言って部屋を出て行った。



あたしは何を話していいかわからなくて、黙ってうつむいていた。



「…ユキさん。のぶくんと仲良くしてくれてありがとう。」

園長先生が口をひらいた。

「あ、いえ…はい。」



「あの子はね、ここに来た頃は、本当に大変でね…」



「?」



「あなたには、知っていてほしいから、話すけれど…」



「私が言った事は、のぶくんには、内緒にしてね?」



あたしは、小さく頷いた。



園長先生は静かにはなし始めた。



のぶがここに来た経緯を。







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