白いユキ



夕方。



のぶとわかれてから、あたしは、九条川病院にいた。



今日は検診日だったから。





早川先生か、あたしのレントゲン写真を見て、眉をしかめた。



「少し、無理してないか?」



「あ…」



「その顔は…うん、とにかく無理は、ダメだよ。自分でセーブしないと…」



「……。」



「ま、まだそんなに大したことじゃなさそうだけど…二週間後にもう一度来なさい。それでよかったら、又1ヶ月ごとの検診に戻そう。」



「はい。」



早川先生はふーっと息を吐いた。



「それまでに何かあったら、すぐ来なさい。約束だよ。」



「はい。」



俯くあたしに



「霞ちゃん?─元気でいられるおまじない。」



早川先生はあたしの頭に手を乗せてポンポンと軽くたたいてにっこり微笑んだ。







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