白いユキ



月曜日。



「あっ、あった!コレかな?」



あたしは、学校の帰りに図書館に来ていた。



どうしても気になる事があって調べにきた。





17年前の新聞記事。




─火事で民家全焼。


木造二階建て家屋全焼。中から、関口由美さん29と思われる遺体を発見した。一歳になる長女雪ちゃんは助け出され意識不明の重体。四歳の長男伸君は、友人宅にいたため無事。





あたしは驚いていた。


園長先生は妹は亡くなったって言っていた。



─亡くなったって、病院でなくなったのかな?



名前が、雪だって。



偶然だよね?



そうだよね。



偶然としか考えられないよね?



ユキは、マスターがつけてくれたんだから。



偶然だ。




あたしは、何度も偶然の言葉を繰り返した。



緊張で、自分の手が震えていたから。



スゴく、イヤな胸騒ぎがしていた。







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