白いユキ



放課後には雨は止んでいた。



あたしは、マスターの店へ行くために少し急いで帰る用意をしていた。



「惣領さん!」



呼ばれて振り返った。



「担任が職員室こいって!」



「えっ?あ、わかった。ありがとう。」



「いーえ!じゃ、宜しくね。」



声をかけてくれたクラスメートは、鞄を持って教室を出て行った。



─なんだろう?



あたしは、携帯を出してマスターにメールをうった。



“少し遅れます。ユキ”


廊下に出て、職員室へ向かった。







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