白いユキ




手渡されたアルバムには、あたしが沢山いた。




笑った顔

怒った顔

真剣な顔…


あたしがいっぱい写っていた。





それと、きちんと封がされた二通の手紙…。



一つは霞へ。


もう一つには、父へ。



封筒の表にそう書いてあった。


懐かしい、兄の筆跡で。


…和希兄さんの手紙…。


あたしは、はやる気持ちを抑えきれず、誰もいなくなった教室へ戻ると封を開けた。







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