白いユキ
マスターの言葉に燿さんは、カウンターのイスに腰掛けた。
「じゃあ、まずは、あいさつからね。」
「松田燿です。そう…松田綾の妹。」
小野夏樹の元、婚約者のね。
─!?
「えっ?…元婚約者って?」
「うん、そうだよ?元婚約者。………あれ?…知らなかった?」
燿さんは、しまった!という顔をした。
「あっ?ヤバカッタ?…もしかしてあたし、余計なこと言った?」
「いや、大丈夫。」
マスターがいった。
「ユキも、本当の事を知った方がいいと思うから、それでいい。」
「本当の事?」
マスターは、あたしの言葉にゆっくりと頷いた。
*