白いユキ





気づくと朝になっていた。



「寝てしまったんだ。」


目の回りがカピカピする。

泣いたまま眠ってしまった。






あたしの胸の中はもやもやしていて、はれない。


気持ちは決まっていたけれど…



不安ばかりが浮かぶ。



ナツに会いたいのに



ナツに会うのが怖い。



嫌われていたら。


もういらないって


別れようと言われたら。





あの日、店でのぶと鉢合わせした日から、ナツはあたしに連絡を入れてこなくなった。



本当にぷっつりと繋がりを断ち切ったみたいに
……全く。



あたしから、連絡を入れても携帯は、いつも留守電だったり、電源が入ってなかったり……




避けられている。




そう思った。



あたしはきっともう、いらなくなったんだ。



当たり前だ…嫌になったら、綾の所に帰ればいい…そんなことを考えていたんだから。



自業自得。








でも求めてしまう。


どうしようもなく求めてしまう。



だだ、会いたいとそれだけしか思い浮かばない。


あたしはこんなに理不尽で

わがまますぎる。



でも止まらない。




ナツに会いたいの…








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