白いユキ
「おはよう。」
「おはよう……霞?」
「ん?」
父さんの心配そうな声がする。
「…顔色が悪いな……」
ポツリと父が呟いて、父の手があたしのオデコにのびてきた。
「熱は…ないようだな。」
「ん。大丈夫。…遅れるからもう行くね。」
「ああ」
心配かけたくない。
父も仕事が忙しいみたいだから。
─最近、毎日遅いもんね。
あたしは、ここの所ずっと眠れずにいた。
浅い眠りを繰り返して、じっくりと深く眠れない。
正直、もう限界だった。
「霞!!」
急に父に声をかけられて、振り向いたとたん─
グラッ………
視界が揺れて、目の前が真っ白になった。
あたしは、その場に倒れ込んでいた。
意識が遠ざかった。
*