白いユキ
気づくとベッドにいた。
真っ白な天井に、
「病院……」
そう呟いた。
左手に感じる温かさに、ゆっくりと顔を向けた。
─まだ、夢を見てるんだ……そう思った。
目に映るものが、信じられなくて……だんだんと滲んでいって見えなくなる。
涙が溢れる─
ずっと会いたいと願った人がそこにいたから。
あたしの左手を両手で握り締めたまま眠っている。
愛おしい
愛おしい
あたしの大好きな人。
「……ナツ……。」
囁くように言ったはずの声に握っていた両手がぴくりと動いた。
彼が顔を上げる。
あたしを見て微笑む。
─本当に、ナツ…だ。
嬉しい
嬉しいよ。
嬉しすぎて涙が止まらない………
*