白いユキ
ナツがあたしに父さんと会いたいって言い出した。
「何で?」
「挨拶したいし、知ってもらいたいから。」
「何を?」
「彼氏だという事…ユキを大事に思ってるってこと。」
「……」
「何?なんで黙るんだ?」
「…うん。ちょっとびっくりした。」
ナツから、そんなこと聞くなんて思ってもみなかった。
あたしは、ナツと一緒にいるだけで、隣でナツが笑っているだけで十分幸せだったから……。
「ナツは、大人だね。」
ちゃんとずっと先の事も考えている……くれている。
─嬉しい。
あたしの事大事に思ってくれているのが伝わってくる。
「…俺はユキとの事は中途半端で終わらす気はない。」
ナツは、きっぱりと言い切った。
「…綾との事で…もう、あんな思いをしたくない……ユキには、綾みたいな思いをさせたくない。」
「……ナツ。」
「ユキを大切に思ってるから。」
「俺も本気で好きなんだ。」
ナツの気持ちが伝わってくる。
どんどんナツの思いであたしは、満たされる。
「うん。あたしも好き。」
*