白いユキ
「ちょっと失礼……」
父が部屋を出て行くと、あたしの隣に座るナツは、はぁーっと大きく息を吐いた。
「あーー緊張する……」
「えっ?ナツ、緊張してたの?」
「ああ。」
「見えないよ……全然。」
「そう?」
「うん。」
「……お父さん、俺のこと気に入ってくれたかな?」
「さぁ?」
あたしはワザと曖昧な返事をした。
「そう?」なんて言ったナツを困らせたくなったから。
「えっ?さあって……もう少し何か言いようがあるだろう?」
ナツは拗ねたようにボソボソ呟いた。
「うそ。……父さんは気に入っているとおもうよ?年のさはあるけど………そういうのは気にしない人だから。」
「そうか。よかった。」
ほっとしたようにナツは笑った。
*