白いユキ
一年後……
子供が産まれたと知って、由美に何も知らされていなかった私は、慌てて会いに行った。
彼女は、この子は自分だけの子供だから、自分が育てると、頑として私には、渡さないと言っていた。
名前も雪と名付けていた。
でも、私は、由美との子をあきらめることができなくて、何度も彼女を説得しょうとしていた。
そして、あの日。
丁度、霞が一才の誕生日に、由美の家に行った私は……
目の前の事に呆然となった。
燃え盛る炎の中に
「助けて。」
由美の声が聞こえた気がして………
私は、火事で燃える家の中へ駆け込んでいた。
父は、辛そうに俯く。
とても…辛そうに………
*