白いユキ
俯いていた顔を上げると
のぶがあたしをじっと見ていた。
「……のぶ?」
声を掛けた瞬間…のぶの手が肩に延びてきて
あたしは、ソファーに押し倒された。
二人の重みでソファーがぐっと沈む。
「…………」
「…………」
部屋が静まり返って…あたしは、息を呑んだ。
のぶの目が恐い。
真剣な男の目。
のぶの手があたしの両手をあたしの頭上で押さえつける。
「っ……やっ!!」
すごい力……押さえつけられた手首が悲鳴をあげる。
のぶが恐い。
そう、初めて感じた。
のぶの目があたしの目を見つめる。
一瞬、のぶの目が揺らいだ気がした……。
でもそれはほんの一瞬だけで……。
のぶの重みで、動けない……逃げられない。
*