白いユキ




あたしは

動けずにいた。








ソファーに横たわったまま…動けない。










のぶをまた傷つけてしまった。











あたしの中でもうのぶは、兄に変わってしまっていた。



それは、きっと父さんに兄だと聞かされたからじゃない。



その前から、あたしの中でのぶは、すでに兄だったんだ。




あたしは、のぶも同じだと思い込んでいた。






勝手に……思い込んで…

身勝手。

自分勝手だ。





のぶの気持ちを知っていたのに…





あたしは……



本当にひどい奴だ。









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