白いユキ

涙は、後から後から溢れて



あたしはどうしたら、いいのかわからなかった。










どれくらい、そうしていたんだろう。



もう涙は、止まっていてあたしは、ソファーに座り込んでいた。







ヴーヴーヴー………


ポケットの携帯が震えた。




─ナツ!?


あたしはすがるような気持ちで通話ボタンを押した。



「………」


『…ユキ?』


「………」


『どうした?……ユキ…何かあった?』



のぶと会っていることを知っているナツは、心配するような声でたずねる。


あたしは…………

「………」

返事ができない。

何か言わないとと思うのに……言えない。



『ユキ…?』


「………」



『…ユキ…俺はマスターの店にいるから。………ユキが来るまで、ずっといるから。………だから、しっかりしろ。………お前の兄さんだろ?大丈夫。絶対分かってくれる。』



大丈夫だから。



「……ナツ。」







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