白いユキ
「ユキ………。」
あたしの頬を涙が伝う。
今日は涙腺が緩い。
顔を見られたくなくて、俯くあたしを
のぶは、優しく抱きすくめた。
のぶのゆっくりした鼓動が聞こえて
あたしは、安心して、
目を瞑った。
のぶの優しさが伝わる。
「……のぶ、ごめんね。」
「ごめんなんて言うな。」
「のぶ………。」
「それから、──お兄ちゃんはカンベン。」
「…うん。」
のぶの言葉に頬がゆるむ。
「妹だって、心から、そう思えるようになったら……」
「のぶお兄ちゃんがいいから。」
「……うん。」
うん。待ってるよ。
あたしは、のぶの腕の中で
嬉しくて
嬉しくて
笑いながら、泣いていた。
*