白いユキ
*道標「ミチシルベ」
マスターの店には、closeの札がかかっていて…
中に入るとカウンターにナツが一人座っていた。
あたしが店に入るとナツは振り向いて
「おかえり。」
笑顔で言ってくれた。
「ただいま。」
あたしがナツの傍に行くと、椅子を降りて、ナツはあたしをギュッと抱いた。
「……ナツ?」
「………」
「………?」
「…よかった。」
「……なにが?」
「ユキが…俺のところへ帰って来てくれたから。」
「………」
ナツ。
「ほんとのこと言うと、電話で後悔するなとか、諦めるなとか、言ってから……後悔してた。」
*