白いユキ



あたしを助けて、
あたしに、ユキ と名付けたのは、マスターだ…


「お前の肌が、雪みたいに白いから─ユキと呼ぼうか…」

名前も、なんにも…自分の事は何も言わないあたしに、マスターは、そうつぶやいた…。


「…ユキ。」

「そう、ユキだ。ずっとお前、じゃあな…」

「……」

「ま、名前が無いと不便だからな。─だけど、いい名前だろ?」


マスターは、あたしを見て、穏やかに優しく笑った。


…優しい…本当に優しい笑顔。






ユキ…


その名前が、マスターの亡くなった妹の名だと、
ナツが教えてくれた。





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