白いユキ

*逢瀬「オウセ」




高校に行き始めて、半月ほど経った時、あたしは、その男に出会った。





あたしと、ナツは、相変わらず、窓の無い部屋で関係を続けていた。



ナツとの関係で、変わったことと言えば、あたしが、学生になったことで、
会うのが、金曜の夜だけになったということだけ。
ただそれだけ。

以前と変わらずに…あたしは、ナツを満たし、ナツは、あたしを満たしてくれた。






その日も、あたしは、深夜2時を回った頃に、ナツと別れてから、何時もの所へ、向かっていた。



何時もの所─



深夜営業のファミレス。


入り口から、一番遠い奥の席。



いつもの、あたしの指定席。



お客のまばらな店内は、
静かで…


あたしは、結構気に入っていた。






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