白いユキ
「あの、何時も、この席ですね…」
「……落ち着くんです、この席。」
あたしは、彼を見上げた。
視線が合ったけど、彼はふっとそらせた。
─顔が赤い。
彼の緊張が…手に取るようにわかる。
「あの、後30分ほどで、僕の勤務時間、終わるんですけど…」
「……」
「…この後、予定あいてますか?」
声は普通なのに…
顔は、耳まで真っ赤にして聞いてくる彼に、あたしは、凄く可笑しくて、
クスクス笑ってしまった。
「あの…。」
心配そうに、あたしの顔を見る彼。
「…ごめんなさい…クスッ…あいてます。」
「あたしで、よかったら…」
「えっ!はいっ!!ありがとうございます!…えっ、あっ、…すみません…じゃなくって!」
─ホント、面白い。
*