白いユキ



ナツと出会ったのは2年前─

あたしが16になってすぐ─


その頃のあたしは、大人のふりをして夜な夜な街で遊び呆けていた。


まだ少しあどけなさが残る自分の顔がイヤで、わざと大人の女に振る舞ったり、露出度の高い服を着たり、自分が少女ではなく女なのだとアピールしていた。





心の奥で本当は助けてほしくてもがき苦しんでいる

あたしを押し殺すために──


あたしは─
あたしの腕に残るリストカットを見るたび
うんざりしていたし──


そんな事をしようと考えたあたしにも─


吐きそうだった。







< 5 / 215 >

この作品をシェア

pagetop