白いユキ



重い瞼を開けて、あたしは、溜め息をついた。



空を飛べた夢を見ていたんだ…


…右手に感じる、温もり…


ベッドの横で、うずくまるように、眠る人。


「…早川先生…」


小さく、呟いて、あたしは、右手に力を入れた。


「…カスミちゃん?…良かった…」


「早川先生…あたし、又、かえってきちゃつた…」


「…うん。」


早川先生は、立ち上がると、横たわるあたしを、キツく抱きしめた。


「僕が、愛してるから…君は、どんなに傷つけても、死ねないんだよ?」

「……」


─ありがとう。先生…


でもね、先生にあたしは、釣り合わない。


あたしは、醜いアヒルの子なんだよ。


凄く…醜くて、汚いんだ…


どうしょうもなく


汚いんだ…。





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