白いユキ
「…ほめて、やっては、くれないんですね…」
「…?晶子?」
「こんなに努力しているのに…認めては、くださらないんですね…」
「…和希が、─あの子が、生きていたら、こんなはずじゃなかった……」
母の声は、震えていた。
泣いている…ようだった。
「…あなたは、あの子が、…霞が、…私の、産んだ子じゃないから…私がどんなに努力したって、無意味だと…そう、ゆうんですね…」
「晶子…!?」
「あの日、あなたが抱いていた、─あの子を見た時、私がどんな気持ちだったかわかる?」
「……」
「…どんな気持ちで、私が、あの子を育ててきたか、…和希と、兄妹のように、仲良くするあの子を…」
「どんな気持ちで見ていたか?…あなたにわかるんですか!?」
─あたしは、ドアの前で、身動きひとつできなかった。
母さんが、何を言っているのか、わからない。
*