白いユキ




─今のは…なに?



─あたしが、母さんの子じゃないって?



─あたし、が?
偽物…って、あたし?…



─だから、愛してくれなかったの?…だから、和希兄さんは、愛していたの?



─あたしが、死ねばよかったって─

─どうして…母さん。

…俯く、あたしの足元に、ポタポタと、雫が落ちて…



自分が…泣いているんだって、気づいた。



両手で顔を覆ったら、…


涙が、止まらない…



後から、後から、溢れて、拭っても、ぬぐっても…止まらないんだ…


だって、
あたしは、母さんに愛されるのが嬉しくて…



少しでも多く

少しでも長く

愛してほしかった…



ただ、それだけ…

望んだのは、それだけ…






ただ…
それだけなの。








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