白いユキ


放課後。



教室の窓際で、女子たちが集まって騒いでいた。


「…?」



「ねぇ、誰、待ってるんだろう?」

「あれ、ベンツだよね?」



─ベンツ!?


「あ…」



彼女たちの、背中越しに見えた、見覚えのある車─


─ナツ!



しかも、校門のすぐ横に停めて、車にもたれて、立っていた。



あたしは、驚きで、一瞬固まってしまった。


はっと気づいて、いそいで鞄に教科書とかを詰め込むと、廊下へ出た。




To.ナツ
Re:

門の前で、目だちすぎ!学校の南側の公園で待ってて。すぐ行くから。




メールを送信して、あたしは、慌てて学校を出た。







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