白いユキ
公園の横に、車は停まっていた。
あたしは、助手席の窓を軽く、ノックして、中を覗いて、小さく笑った。
ドアを開けて座ると
「おかえり。」
「ただいま。」
ナツは、にっこり笑っていた。
「今日は、どうしたの?何かあった?」
─ナツが朝からメールなんて。
「それに、門の、あんな所で待つなんて…スゴく目立ってたし…ナツ、今日はなんか変だよ…。」
あたしが、少し、俯いてため息をついていると。
「会いたかったから…ただそれだけ。」
ナツの言葉にあたしは、驚いた。
ナツがそんなこと言うなんて初めてだった。
あたしの顔を見て、ナツは、呟く。
「だって、恋人に会いたいって思うのは、当然だろ?」
『恋人』…その言葉にあたしは、胸がチクチクと痛んだ。
「また、冗談ばっかり…」
あたしの返事に、ナツは、
「さて、どうだろうね。」
そう言って、優しく笑った。
*