ペロ
ノリコ
『あれ? 定時に帰るなんて珍しいっすね!! デートですか??』
同期入社の梶原がわざわざ大きい声で突っ込みを入れてきた。
『そんなんじゃないわよ。 たまにはその・・・
家でゆっくりしたいと思って・・』
必要もない目の前のファイルに目を通しながら、
ノリコは耳まで赤く染めてしまう。
『えー、図星かよっ。 俺ショック〜。 』
二つ年下の梶原君。
向かい合わせのディスクから、なんだかんだと話しかけてくれる。
正直、彼を可愛いと思ったこともあった。
でも今のノリコはそれどころではない。
諦めるしかないと思っていた恋人の隆也と、今日やっと会えることになったのだ。